フライス盤を選ぶ際、お客様の加工内容、スペック、操作性が重要になります。その中でも特に重要なのが、加工内容であると考えます。フライス盤といえども、機種ごとにその特徴は様々であり、加工内容に合わない機種を選定してしまうのは大変残念なことです。
そこで、加工内容の目的別に大きく3つのパターンに分類し、その内容に合った中からおおよそのシリーズを絞り込みます。
次に加工範囲や能力などのスペックを検討し、具体的な機種選定をし、その操作性などを理解した上で総合的に判断されることが、間違いのない選定ポイントになるのではないでしょうか。
単品+小ロットの加工のポイントは、『プログラムと手作業の切り替え』が出来ることです。ハンドル操作は、基準点出しなどの段取りや試し加工には最適ですが、複雑な形状や加工点数が増えた場合、再現性に限界があります。ですから、単品+小ロット加工には、簡単にプログラムとの切り替えの出来るものをお奨めします。理想を言いますと、ガイダンス加工で1〜数点の加工を行い、それを記憶させ、自動化できるものがベストです。この機能を『ティーチング』といいます。ティーチング機能を備えた機械であれば、小ロット加工の生産性は目覚しく高まります。
また、単品加工ではなく20個程度の加工であれば、リピート品も多く含まれるため、NCプログラム運転のほうが効率よく加工できる場合があります。そういったケースに対応できる機種選定も重要となります。
機種的には、単品+小ロット加工のお客様にはYZ−Rシリーズが多く選ばれています。
その中でも好みによって分かれますが、約半数のお客様がX、Y、Zが自動で動き、NCプログラム運転にも対応した3軸NC機YZ−320NCR、YZ−400NCR、YZ−500WRVなどを選定されています。部品加工で単品+小ロット加工なら、ATCや主軸自動変速の機種(SGシリーズ)までは必要とされないケースが多く、必要十分な機能を満たした機種選定をされています。
また、加工目的がこの範囲のものであれば、Z軸が手動のWRタイプも選定される場合が半数以上あります。特に、単品加工のウエイトが5割を超えるようなお客様がWRタイプを選ばれているようです。Z軸が手動というこのWRタイプの懐の深さを物語っています。
YZ-320NCR / 移動量 X:550 Y:320 Z:500
YZ-352NCR / 移動量 X:750 Y:350 Z:500
YZ-350NCR / 移動量 X:750 Y:350 Z:500
YZ-400NCR / 移動量 X:850 Y:400 Z:600
YZ-8WRV / 移動量 X:850 Y:400 Z:600
YZ-500WRV / 移動量 X:1050 Y:500 Z:560
YZ-400SG / 移動量 X:850 Y:400 Z:550
YZ-500SG / 移動量 X:1050 Y:500 Z:550
YZB-88NCR / 移動量 X:1,000 Y:660 Z:820
フライス盤の選び方
加工内容・目的別の3つの選定ポイント